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「今月の逸品ver.3」 vol.28 鳥羽市立海の博物館のタコツボ
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今回ご紹介するのは鳥羽市立博物館の「タコツボ」です。

 国によっては“悪魔のサカナ”と呼ばれ忌み嫌われますが、日本人は食べるのが大好きなタコ。とり方として一般的にイメージが強いのは、タコツボ漁ではないでしょうか。狭く暗い場所に入ることを好み、夜間に巣穴から出てエサを探す習性を巧みに利用して、通常は午後、夕方にタコツボを海に沈め、翌朝引き揚げます。

 鳥羽市立海の博物館では、全国25道府県のタコツボを展示しており、さながら“タコツボ選抜甲子園”の様相を呈しています。近年では大量生産のプラスチック製のツボが流通し、かなり画一化されていますが、かつては地域によって、また漁師個人によっても個性が発揮されていました。

 当館の展示資料を例にすれば、静岡県の竹筒を使ったものや、大きなミズダコやヤナギダコをとるため北国で使う木製のタコバコ、小さなイイダコを漁獲する際、日本海側で使用することの多い貝殻のタコツボなど多種多様です。徳利の底を抜いたタコツボは鈴鹿市白子が発祥とされ、一時周辺地域にも波及しました。また瓦や古タイヤ、ビールの空き缶など、生活用品を再利用して作ったものが散見されるのも面白いところです。使うモノを無駄にしないという、先人たちの知恵と教訓が感じられます。

 近年、大阪府泉南市や山口県防府市でタコツボを照明やプランターなどで使うイベント、取り組みがありました。タコツボは漁業や地域振興でも役に立って、しかも“映(ば)える!”のです。流行先取りで今秋~今冬はタコツボに注目してみてはいかがでしょうか。


泡
灯台

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