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学芸員のつぶやき vol.23 日本郵船歴史博物館
ミュージロー
2025/03/05
神奈川県
日本郵船歴史博物館
三角旗
  • 横浜郵船ビル正面外観 / 2025年2月28日撮影

    横浜郵船ビル正面外観 / 2025年2月28日撮影

  • 対岸からみた横浜郵船ビル(右側) / 2025年2月28日撮影

    対岸からみた横浜郵船ビル(右側) / 2025年2月28日撮影

第23回「学芸員のつぶやき」は日本郵船歴史博物館の遠藤あかねさんです。




横浜市中区海岸通り地区の再開発に伴い、日本郵船歴史博物館は23年4月から長期休館しています。入居していた横浜郵船ビルからの事務所引越しを経て、我々学芸員は数年後のリニューアルオープンに向けて、博物館移転という未経験のプロジェクトに戸惑いつつ、必死に食らいつきながら取り組んでいます。基本の展示コンテンツは継続しますが、建物全体の間取りが大きく変わり、展示手法も新たに検討することになります。そこで引越しが落ち着いた昨年から全国各地の博物館視察を始めました。視察先はすでに15館を超えていますがそのうちの2館をご紹介したいと思います。


24年10月、江東区にプレオープンしたばかりの温故創新の森 NOVARE(清水建設歴史資料館)を見学させていただく機会がありました。建築模型の展示は船体模型を多数展示する当館にとっても興味深く、ケースを取っ払って広いテーブルに並べられた建築模型にはそれぞれ作品情報を載せたタブレットが備え付けられていて来館者はぐるりと回りながら鑑賞できます。模型の特徴を活かした魅力的な展示でした。実物資料とデジタル資料がバランスよく配置されていた展示構成も勉強になりました。


その翌月に訪問した石巻市博物館は東日本大震災で被災した石巻文化センターの後継施設です。点数の多い展示資料を立体的に配置し、ハンズオン展示を各所に散りばめることで全体的に動きが出て、来館者を飽きさせない空間になっていました。手に取って動かすことで当時の慣習や使い方を学べる造作物が印象に残っています。一方でプロジェクションマッピングを投影する展示装置は少しの地震の揺れで投影する展示物とずれが生じるといったデジタル展示の扱いの難しさについても教えていただきました。


新しい展示や演出手法のトレンドを押さえることも大事なことですが、実は日々現場で働く学芸員から伺った不便と感じている設備や展示・運営の課題点といったことが役立つ貴重な情報だったりします。ご協力いただいた多くの博物館の方々にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。


ちょうどこのブログを書いている頃は基本設計の最終段階です。完成までの道のりはまだまだ長いなあと感じておりますが、皆さまをお迎えする日を楽しみに準備を進めてまいります。


日本郵船歴史博物館    

学芸員 遠藤あかね


泡
灯台

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