第9回「学芸員のつぶやき」は東京臨海部広報展示室TOKYOミナトリエの川島幸久さんです。
TOKYOミナトリエでは、東京都所有の視察船や島しょ航路に就航している貨客船などの東京港に関わりのある船舶の模型を展示しています。
展示している船舶模型の中で、1988年の竣工後から第三管区海上保安本部に配備され、2013年からは第七管区海上保安本部に配備されている「巡視船 やしま」(縮尺1/100)と、1997年から2016年まで東京港と小笠原諸島の父島二見港との間の片道約1,000kmの定期航路を25時間30分で運航していた二代目の「貨客船 おがさわら丸」(縮尺1/100)の2点は、商船模型同好会の会員の方が制作された作品をご寄贈いただいたものです。
商船模型同好会は、文字通りクルーズ客船や貨客船、貨物船などの商船の模型制作を趣味とされている皆さんの集まりで、毎年5月に開催されている東京みなと祭には作品展を出展していただき、来場者を大いに楽しませてくれています。
こうした縁があって、TOKYOミナトリエでも特別企画展示として「商船模型同好会作品展」を初めて開催しました。客船やフェリー、タンカー、漁船、コンテナ船など15作品を集めた作品展で、中には深海潜水調査船支援母船やコンクリートミキサー船、捕鯨船、蟹工船といった珍しい船もあります。また、作品サイズも全長が1メートル超の迫力ある大作から、20センチに満たなくても細かく作り込まれた作品までさまざまです。
こうしたバラエティー豊かな作品が来室された見学者の方々に大変好評で、1つ1つ精巧に作られた作品をじっくり見て回られる方が多くいらっしゃいます。また、社会科見学などで訪れた子どもたちにも人気で、食い入るように見ている姿が印象的でした。
今回の作品展は1月末で終了しますが、今後も定期的に開催できればいいなと思っています
東京臨海部広報展示室TOKYOミナトリエ 川島幸久