第3回「学芸員のつぶやき」はフェルケール博物館の椿原靖弘さんです。
当たり前のことと言ってしまえばそれまでのことですが、フェルケール博物館は清水港にあります。なので、博物館2階のホールの排煙窓から日の出埠頭に着岸する大型クルーズ船の上部を見通すことができます。いずこの学芸員も同様かと思いますが、特に展示替えを行なっている時期には出航を知らせる花火や汽笛の音で「17時になったな、まだ、終わりそうにないなぁ…。」など呟いています。
この数年のコロナ禍を経て港にも活気が戻ってきたようで、日の出埠頭へ着岸した大型クルーズ船は2020年度に7回、翌年12回、2022年度は20回と次第に回復して、2023年4〜6月にはすでに26回を数えました。毎回、歓迎事業が港周辺で行われていますが(歓迎セレモニーの様子)、これらのセレモニーとは別に、私が気に入っている風景があります。
それは、大型クルーズ船が着岸した時に港湾道路から日の出埠頭に向かうと、7階建のマリンビルや合同庁舎の向こう側に新築マンションが出現したかのような風景です。傾斜のある煙突や吊り下げられた救命ボートが異質な雰囲気を醸し出していますが、新しく巨大な建物が港に出現したかのような錯覚を覚えてしまいます。客船見学に向かう人たちも口々に「お〜うっ!○△🔳×☆▼…!」と声を挙げています。
さて、日の出埠頭では老朽化した上屋の撤去や大型クルーズ船が2隻同時に着岸できるような埠頭の改良工事も行われており、見慣れた風景もどんどん変わってきています。もっと写真や動画で変わりゆく港の風景を記録しておきたいと感じていますが、なかなか継続して撮影できていません。
「ん〜、これも重要な仕事だよな!?」と反省していますが、どうしましょう!?
フェルケール博物館 椿原靖弘
」芸員のつぶやき