今回ご紹介するのはわかちく史料館の　「澁澤栄一翁よりのお礼状」です。

　当社は、明治２４（1891）年の不況等の影響で経営の危機に瀕していました。その時当社を救った一人が渋沢栄一翁でした。

　当社社長の石野寛平は上京し、まず三菱社長の岩崎弥之助氏のもとを訪れ、次に三菱管亊の荘田平五郎氏を訪ね相談を重ねるうちに澁澤栄一翁も加わるようになりました。その後、渋沢翁は、当社の事業に賛同し荘田氏とともに株主に加わり、相談役に就任しました。これを機に東京で行っていた株主募集も進みました。また、澁澤翁は、東京において洞海湾拡張計画に関する大株主のとりまとめ、増資にに関する株主募集、融資に関する支援等の尽力により当社の経営基盤は、強化されました。しかし澁澤翁は、明治３７年に体調を崩され当社相談役を辞任されました。

　明治２６年より明治３７年にわたり相談役として当社の発展に尽力していただいたお礼として銀製の花瓶を澁澤翁に贈呈いたしました。そのことにたいするお礼状です。