「今月の逸品ver.3」第24回目は、あおもり北のまほろば歴史館 のヴァイキング船です。
■ヴァイキング船(Viking ship)
当館に野外展示しているヴァイキング船は、2003年にノルウェーのオルネス造船所で建造されたもので、ノルウェーオスロのヴァイキング博物館に展示されているロングシップ「オーセベリ船」(全長約21.5メートル)をモデルとしています。「オーセベリ船」は、9世紀頃に棺として埋葬されたと言われ、1904年から翌年にかけてほぼ完全な形で発掘され、ヴァイキング船の研究に大きな役割を果たしています。
ヴァイキング船の構造は、キール(竜骨)をもち、外板材を重ね張りするクリンカー工法(鎧張り構造)により頑丈です。また、細長く喫水が浅いため高速で航行でき、水深1メートル程の沿岸航行を可能とします。船首と船尾は前後対象形で、旋回することなく即座に進行方向を変えられるため、氷山等の危険が多い海域を航行するのに適すると言われます。船縁のずらりと並ぶ穴は、船を漕ぐ時にオールを差し込むためのもので、長い航海時は帆走もしました。
ご来館の際は、是非、和船と異なる構造や造船技術を間近にご覧ください。また、優美でしなやかな姿をお楽しみください。両端に施された美しいカーブと彫刻は造船所の快心作です。
主要目 全長 約22m / 全幅 約5m / 高さ 約5m
造船所 ノルウェー オルネス造船所(ORENES BATBYGGERI)
(※造船所は、ノルウェー最大のフィヨルドであるソグネフィヨルドから枝分かれした、ルストゥフィヨルドに位置します。)
進水式 2003年10月25日