

「今月の逸品」第25回は、瀬戸内海歴史民俗資料館の「垣立の型板」です。
当館蔵の重要有形民俗文化財『瀬戸内海の船図及び船大工用具』の中に、360点の型板と型紙が含まれている。板図が縮尺十分の一の設計図なら、型板・型紙は原寸大で材に当てて象って切断するためにある。中でも側面の「垣立」の断面を象ったとみられる型板が小豆島の土庄町屋形崎から44枚収集され、うち43枚は廻船のものとみられる。
そのうち40枚に墨書があり、年号の入るものでは「天保十三年」が最もふるく、「明治二拾二年」が最も新しい。「肥土山酒屋みせ船」「屋形崎村喜八郎舩」というように船主の名が入るものが最も多い。また、「かき立」「かきだつ」「かきたつ」という部位名が入るものが4枚ある。
小豆島北岸には造船所が多く、これらが見つかった石床造船所からは固定舵が描かれている明治27年の合の子船の板図も収集されており、往時がしのばれる。
(瀬戸内海歴史民俗資料館主任専門職員 織野英史)

