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新着資料の紹介コーナー 第23回「関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)」
ミュージロー
2016/05/06
福岡県
三角旗

今回新着資料として紹介するのは、関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)の「平家蟹(ヘイケガニ)の標本」です。

関門海峡ミュージアムでは関門海峡にまつわる歴史資料と人形展示を行っています。

其の中でも壇ノ浦の戦い(1185年)で敗れて散った平家の無念をなぞらえ、「平家の亡霊が乗り移った」という伝説が生まれたとも言われる、「平家蟹(ヘイケガニ)」について紹介します。

節足(せっそく)動物門・十脚目(じっきゃくもく)・ヘイケガニ科に分類されています。
このヘイケガニは実在する蟹であり、瀬戸内海や九州沿岸に多く生息しています。

体色は一様に褐色をしており、甲幅・甲長とも20mmほど。甲は丸みのある台形で、上から押しつぶされたように平たい。甲は筋肉がつながる位置にくっきりした溝があって各区域を仕切っています。上から見ると吊りあがった目(鰓域前部)、だんご鼻(心域)、固く結んだ口(甲後縁)で、人の怒った表情にも見えます。

壇ノ浦での戦いで敗れた平家の怨念が宿ったとされ、甲の凹凸と模様が人間の怒り・苦悶の表情に似ているため、平家蟹は食用でないにもかかわらず有名なカニとなっています。
大和本草では長門・豊前での別名を「キヨツネガニ」と言うが、これは1183年に豊前・柳が浦で入水した平清経に因む命名でもあるようです(因みにキヨツネガニに関する古文書の原文には「キヨツ子ガニ」とあり、清盛の子供の蟹、すなわち平家一門の蟹とも解釈できる)。
高知県ではクモガニと呼ばれるが、これは脚が長いことに由来します。

大きな歴史と密接したこの平家蟹、不思議なこの甲羅はいったい何を伝えているのでしょうか?

泡
灯台

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