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「今月の逸品ver.2」 vol.3日本郵船歴史博物館の「記念洋酒 ウイスキーボトル(未開封)」
ミュージロー
2017/07/07
神奈川県
三角旗

「今月の逸品ver.2」第3回目は、日本郵船歴史博物館の「記念洋酒 ウイスキーボトル(未開封)」です。


日本郵船専用に瓶詰めされた洋酒。ラベルにbottled for the Nippon YUSEN KAISHAの印字が見られる。
明治から昭和初期にかけて船内での酒類はブランデーやワインなどよく知られるが,ウィスキーもあったという事を教えてくれる1点である。

企業や人が長い年月を積み重ね歴史をつむいでいくのと同じように,博物館に収蔵される資料は誰が所有し,どのような来歴を経て現在に至ったかという時を越えた様々な記憶を包含している。
収蔵品の中には1928年と記された未開封のウィスキーボトルがある。銘柄は「Black & White」。ちなみに,国産ウィスキー第一号『白札』の販売が開始されたのは1929年(昭和4)だ。
来歴を調べると前所蔵者の母の遺品の中に眠っておりそこから発見されたウィスキーボトルで,1993年にカリフォルニアサターン第60次復航に載せられ当時の博物館準備室に寄贈されたものだった。ボトルのラベル上部に“EXPRESSLY BOTTLED FOR NIPPON YUSEN KAISH”と記載されている。寄贈者の祖父はシアトル,アラスカでパイロットをしていたようで,日本郵船の船長とも面識があったという。1928年のシアトル航路の就航船は常磐丸,静岡丸,伊予丸,横浜丸,富山丸,加賀丸,三島丸が就航していた。
話はややずれるが,今でいう「社員規則」にあたる「社規類纂」なかに「船内酒食接待心得に関する件」という項目があり船長は乗船客,以外にも官公吏及び水先人等も船内で酒類を持ち出し接待することができた。つまり前所蔵者である祖父はパイロットであり,1928年頃の前記の船のいずれかの船長が荒天で出航の遅れたか,はたまた思いがけない邂逅にふれたか何かの折パイロットを船内に招き,その記念としてのウィスキーボトル贈ったのだろうか。

泡
灯台

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