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「今月の逸品ver.2」 vol.12 新潟市歴史博物館の「新潟白山神社大船絵馬の複製品 」
ミュージロー
2018/04/11
三角旗
  • 新潟白山神社大船絵馬複製品

    新潟白山神社大船絵馬複製品

  • 新潟湊の部分

    新潟湊の部分

「今月の逸品ver.2」第12回目は、新潟市歴史博物館の「新潟白山神社大船絵馬(にいがたはくさんじんじゃおおふなえま)」の複製品です。
 
 新潟市中央区の白山神社拝殿に、縦1m90cm、横3m60cmの大船絵馬が掛かっています。嘉永5(1852)年、越後幕府領の年貢米の回送を請け負っていた豪商・市島次郎吉が奉納したものです。航海安全や回送の成功を祈願したものとされ、新潟で米を積み込み、絵馬左上の大坂、右上の江戸で積み下ろしている風景を、新潟町出身の画家・井上文昌が詳細に描いています。
 新潟市歴史博物館では、白山神社所蔵の大船絵馬を調査・分析し、同じ材料を用いて製作当初の姿に再現した複製品を展示しています。この絵馬で特に注目されるのが、中央部に描かれた新潟湊の様子です。碇泊している大型の廻船に天渡船が近づき、瀬取りで米を積み込んでいる様子がわかります。埠頭に着岸して荷を積み下ろしする現在の港とは異なっていたことが確認できます。また、米を運ぶ廻船や天渡船のほかに、町から堀をつたって米を運んでくる舳先の平らな川舟や、碇泊した廻船に近づき物を売る川売りの舟、大型の廻船より小ぶりで近郊を行き交うコマワシと呼ばれる船など、機能の異なる船も描かれています。それらに加え、舟を操る人、米を運ぶ人、到着した船の帆をたたむ人など、人々の動きも生き生きと描かれ、当時の新潟湊の情景がよみがえってきます。
 当館では、この大船絵馬複製品を露出で展示しています。ぜひ近づいて、詳細をご覧ください。

泡
灯台

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