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「今月の逸品 ver.3」 vol.11 みなとオアシス“渚の駅”たてやま(館山市立博物館分館)の「サライ」
ミュージロー
2021/04/05
三角旗

「今月の逸品ver.3」第11回目は、みなとオアシス“渚の駅”たてやま(館山市立博物館分館)の「サライ」です。

 当館では房総半島の漁業に関わる資料を多数所蔵しており、このうち2,144点が国の重要有形民俗文化財に指定されています。そのうちの1点「サライ」は、干鰯(ほしか)を作るときに使う道具です。
 鰯(いわし)を干した干鰯は、江戸時代から大量に生産・消費されるようになった肥料です。綿花や藍の栽培のほか、稲作にも効果があり、化学肥料が一般的になる以前は広く使われていました。干鰯を作るためには、地引網漁などで捕った鰯を数日間、砂浜に干しますが、その際、腐らないよう1日に2回ほどひっくり返す作業が必要でした。このとき使った道具がサライで、長い柄の先についたくし状の歯で鰯を寄せ集めます。当館2階常設展示室で展示しているサライは、館山市の北に位置する鋸南町で大正末~昭和初期に製作・使用されていたものです。
 サライは地引網漁の際、浜に落ちた鰯をかき集めるのにも使われました。また、漁師や海女が使う小道具として、歌舞伎に登場することもあります。当館で展示している地引網漁の模型ジオラマや絵馬のなかにも確認できるので、ご来館の際は探してみてください。

泡
灯台

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