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みなとミュージローブログ

2018年02月06日

「今月の逸品ver.2」 vol.10 “渚の駅”たてやま(館山市立博物館分館)の「地引網漁絵馬」


「今月の逸品ver.2」第10回目は、“渚の駅”たてやま(館山市立博物館分館)の「地引網漁絵馬(じびきあみりょうえま)」です。

 “渚の駅”たてやま内にある博物館では、房総半島の漁業に関わる資料を多数所蔵しており、このうち2,144点が国指定重要有形民俗文化財となっています。今回はそのうちの1点である地引網漁を描いた絵馬を紹介します。
 この絵馬は千葉県いすみ市岬町の清水寺に奉納されたもので、明治27年(1894)1月に日在浦で行われた地引網漁の様子が描かれています。船1艘による片手廻しの地引網漁で、獲物はもちろん房総を代表する魚、鰯です。
 網や縄を引く体格の良い男性たちや、鰯をタモで砂浜へ運ぶ女性たちなど、おびただしい数の人々が働いている様子が分かります。画面右上にある白い部分がすべて鰯で、海上の網の上に飛ぶたくさんのカモメも、この漁が大漁だったことを物語っています。船の上では沖合が指示を出し、海中でも男性たちが忙しく働いています。手前に描かれた商標の書かれた籠は、鰯を買い付けにきた商人のものでしょうか。浜には天秤棒で酒樽を担いでくる人物がおり、何か飲食している人々も見えます。
 九十九里や夷隅で行われた大規模な地引網漁は、働き手や関係者など多くの人々が集まることから、それらの人々を相手とした酒屋や煮売りの屋台が出店することもありました。こういった光景は「社交場」と称されることもあり、この絵馬からも賑やかな様子が伝わってきます。鰯は食用のほか、加工して肥料としても利用される房総の特産品でした。
 絵馬の左下には、消えかかっているものの漁に関わった人々の名前が記されており、大漁のお礼とともに、今後の漁の成功を祈願して地元の寺へ奉納されたものと考えられます。人々が大漁への願いを込めて描いた絵馬が、当時の漁の様子を現代の私たちへ色鮮やかに伝えてくれるのです。
 この絵馬は“渚の駅”たてやま2階の常設展示室で展示しています。このほか、地引網漁の模型ジオラマや干鰯製造道具などの関連資料も展示していますので、ぜひご来館ください。




“渚の駅”たてやま(館山市立博物館分館)の情報はこちら


at 13時33分

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